公立高校入試において、その合否の鍵を握るといわれる内申書。 入試の50%を占めるとも言われるが、受験生もその親も決してみることは出来ない。
だから、当事者達は多かれ少なかれ不安感を抱いているのではないか?
そこで、福岡県教育委員会指導主事と市民代表者との会談において明らかになった情報をここに掲載する。
皆さんの参考にしていただければ幸いである。
通知票のつけ方
平成三年より、教課審の答申より、「観点別評価」法が導入された。 これは
1興味、関心、意欲、態度
2思考力
3技能、表現力
4知識、理解力
の四項目を教科担当講師が評価し、各学期ごとにABC三段階評価を行う(○△で表記)。
そして、四観点にわたり三段階評価を行ったものを合算し、学年全体(クラス単位ではない)で集計して、それを基に学期の「通
知票」がつけられる。
三段階評価×四観点×三学期分を同様集計して、「指導要録」(成績原簿、五年間学校保存)に記載される。「内申点」は三段階評価×四観点×八学期分(学年ごとに集計される「指導要録」から引用)の同様集計を三年の一二月から行い、秋に行われる地区統一テストと総合判断で教科担任が5段階評価をつけ、翌一月に学校幹部職員による会議を経て評価が確定し、「内申書」が県立高校に提出される。
何がどう変わったのか
ABC三段階評価については、達成度評価であり、絶対評価である。これは旧来と変わらない。通 知表に書かれている○△は絶対評価であってAが全員いても構わない。変わったのは集計方法である。
クラス全員が5もある
昨年度までは、ABC三段階を学年全体で集計して5段階評価に書き換えていくのだが、この時、「上位
何%を5にする」と云う5の数への規制があった。この評価法は「相対評価」と呼ばれている。
今年度からはAがある一定以上あれば5に出来る「絶対評価」に変わる。 となると、教育熱心な環境を持つ公立校や私立中学は軒並みオール5が出る事も理論上可能となる。
県は9月に発表する
さて、学期ごとに集計する通知票、学年ごとに判定される指導要録(成績原簿)についてはABC三段階評価を「絶対評価」で5段階評価に書き換えるのだが、「内申書」だけはまだはっきりとした集計指針が県から示されていない。
内申点をどうつけたらいいか、「絶対評価」なのか、従来の「相対評価」での集計なのかは県教委の審議会答申がすべてであり、その検証は県議の仕事の範疇となる。
しかし、例年なら、9月に発表があり、発表に従い、生徒一人あたり、九教科分の5段階評価と九教科×四観点=三六個のABC三段階評価を転記する莫大な作業を三年クラス担任は年末年始にかけて行う。
通知表は目安
最後に通知票が2(5)でも、5年間保管する指導要録が1(4)、県提出の内申書が(4)と云う事はあり得る。これは通
知票は法定外の目安だからで校長の裁量権の範疇にあり問題とならない。
しかし、各教科を四観点に分けて三段階評価される部分は絶対評価であり、Aが多い→5=成績優秀である。ここが成績簿の全てと言ってよい。
※この資料は、筑紫野市議会会派新聞(平成14年3月号)に掲載されたものです。(注釈以外原文のまま掲載)